毎日のおくすり。
おくすりをあげる前は、どうしても「ちゃんと飲んでくれるかな」と気持ちが向きがちです。
おくすりのあげ方を紹介している記事は多くありますが、準備に目を向けた記事は、意外と多くありません。
おくすりの時間を少しでも負担なく続けるためには、あげ方だけでなく、準備にもできることがあります。
私は動物病院で、
毎日のように飼い主さんと一緒におくすりの方法を考えてきました。
「どうやってあげればいいんですか?」
そんな声をいただくたびに、
その子に合った方法を一緒に探してきました。
今回は、今日からでも試していただける、小さな工夫をひとつご紹介します。
▶粉薬を溶かすとき、こんな困りごとはありませんか?
粉薬を水に溶かしてスポイトで飲ませるとき、
- お皿に粉薬を出す
- 水を加えて混ぜる
- スポイトで吸う
という方法を使う方も多いと思います。
ですが、この方法では
- 粉薬がこぼれてしまう
- お皿に薬が残ってしまう
- 洗い物が増えてしまう
ということがあります。
毎日のことだからこそ、小さな負担も少しずつ積み重なっていきます。
▶分包紙をそのまま使う方法
そこでおすすめしたいのが、
粉薬を分包紙から出さず、そのまま容器として使う方法です。
準備は難しくありません。
1分もあればできます。
① 分包紙の端を少しだけ切ります。
② 分包紙の中へ少量の水を入れます。
③ 軽く混ぜて粉薬を溶かします。
④ 分包紙を少し傾けます。
⑤ 集まった薬液をスポイトで吸います。
このとき、
スポイトの先を分包紙の角に当てるようにすると、最後まで吸いやすく、お薬も残りにくくなります。
▶飼い主さんからいただいた忘れられない言葉
この方法をお伝えしたとき、
ある飼い主さんから
「こんな方法があったなんて知らなかったです。
前の子のときにも知っていたらよかったなぁ。」
と言ってくださいました。
私にとっては普段から何気なくお伝えしていることでした。
でも、この言葉を聞いたとき、
「知る機会があるだけで、おくすりの時間は少し楽になることがあるんだ。」
そう改めて感じました。
もちろん、この方法がすべての子に合うわけではありません。
おくすりの中には苦味の強いものもあります。
ペースト状のおやつ(例:ちゅ〜るなど)などの嗜好性の高いおやつに混ぜても気付いてしまう子もいますし、一度嫌な印象を持つと、そのおやつやごはんを食べなくなってしまうこともあります。
だからこそ、
「この方法が正解です。」
ではなく、
「その子に合った方法を見つけること」
が一番大切だと私は考えています。
少しでも安心できるおくすりの時間になりますように
このブログでは、おくすりのあげ方だけではなく、
「飲む前の準備」にも目を向けながら、
飼い主さんが「こんな方法もあったんだ」と思えるような、
小さな工夫をお届けしていきます。
動物病院で大切にしてきたことも交えながら、
少しでも安心につながる情報をお伝えできれば嬉しいです。
毎日のおくすりの時間が、
その子にも、そして飼い主さんにとっても、
少しでも安心できる時間になりますように。
ちいさな家族のためにも、どうぞご自愛ください。
